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154話. 月明かりが通る間隔

Autor: YuIm
last update Fecha de publicación: 2026-11-02 08:03:46

四つ目の模型を立てると、紗季は手を離して後ろへ下がった。制作担当が照明を動かす。薄く開けたパネルの間から光が抜け、壁へ届いた。今度は、線の間の空白が先に目に入る。

「もう少し離れて見ましょうか」

来場者が最初に立つ入り口まで歩いた。扉の前では線が一つに集まり、数歩進むと別の形が開く。最初から全部を一目で見せようとした図案とは違っていた。

担当者が模型の脇へ印をつける。

「この方向で製作の検討を進めましょう。次は素材の厚みと固定方法も確認します」

紗季もうなずいた。美しく見えることと、実際に設置できることは同じではない。仕事は増えた。それでも、また模型に触りたかった。

午後、関係者へ進捗を見せる小さなプレビューが開かれた。完成品のようには説明しない。変えた部分を先に示し、残る検討項目を伝える。なぜこんなに空間を空けたのか、と一人が尋ねた。

「一度にすべては見えないようにしたかったんです。中へ進むにつれて、少しずつ変わるように」

説明のあと、実際の観覧動線を歩いてもらった。

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    絵を貼り直して部屋を出ると、夕食の支度が進んでいた。怜司は贈り物の箱を出し、脇へ置く。光る時計は、まだ箱の中だ。「陽翔。さっきパパ、プレゼントを買いすぎたね」「陽菜の?」「お前のも」子は箱を見た。返せという意味に聞こえたのか、腕を前へ集める。背を向けられる前に、怜司は隣へ座った。「寂しいのも、物をあげたらすぐ大丈夫になると思った。間違ってたよ」陽翔がズボンの膝を爪でこする。「陽菜が来たら、ぼくの部屋なくなる?」「なくならない。変える必要が出たら、先に話す。絵も勝手に片づけない」「でもパパ、何でも陽菜のって言う」説明しかけて止まった。今日買ったものを思い出すと、全部赤ちゃん用だった。陽翔のいる場所まで、次の子を待つ場所へ変えようとした。「今日は、そうだったね」子はそれ以上言わず、伝わったのか確かめるように見ていた。台所から紗季が呼んだ。食べたら二人で散歩へ行って、自分は少し休むという。陽翔はすぐには立たなかった。「ママ、一人でも大丈夫?」「うん。必要ならパパに電話する。陽翔がずっと守っていなくても大丈夫だよ」怜司は時計の箱をかばんへ戻した。物で子の返事を得ようとはしない。陽翔は母のお腹を一度見て、靴を持ってきた。公園には夕食を終えた子たちがいた。陽翔は新しい地面の線を踏んで歩く。後ろで歩調を合わせる父を振り返った。「走っちゃだめ?」「ここならいい。あの自転車道の手前まで」言い終わる前に走った。怜司も追い、子の決めた線の前で止まる。陽翔は勝ったと両手を上げた。「もう一回! 今度は本気で!」「本気だったぞ」「違うよ。パパの方が足が大きいもん」次は怜司が先に着いた。陽翔は一瞬口を尖らせ、もう一回と言う。三回目は自分の出発線を前へ動かした。父が見ると、堂々と笑う。「ぼく、まだ小さいから」ベンチでは二人とも息が上がっていた。怜司は水筒を渡し、飲み終わるのを待つ。陽翔が体を傾け、腕

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